東京都正札シール印刷協同組合青年部
 2月勉強会


2月19日金曜日、東京正札会館1F会議室において2月の勉強会が開催されました。
テーマは「コンピュータに関する問題」として、西暦2000年問題とコンピュータウィルスの2項目について、新入部員の(株)シール堂印刷の下山さんに講義していただきました。
下山さんはこの業界に入ってからの日は浅いのですが、その前に日本オラクル社に勤めていたので、青年部の中でコンピュータに関する知識ではおそらくNo.1でしょう。






今回、出席者の中にラベル青年部の松浦部長、神奈川青年部の松村部長の姿がありました。
両部長に参加頂き大変感謝するとともに、2000年問題における周囲の関心の高さを改めて感じました。
特に松浦さんはかなりの質問をしていました。問題意識の高さが窺い知れますね。





西暦2000年問題についてはご存知の方も多いと思いますが、改めて説明をしますと、
コンピュータは他の数字と同じ様に、時間と日付を記憶していて、時間が進むにつれ時間を表す数字を大きくしているので、当然未来の日付は過去の日付よりも大きくなります。
あるプログラマー達が、日付から世紀を表す前2桁を削除する事でこの時間の自然な進行を妨げてしまったのです。彼らは削除した前2桁が必要になるとは考えなかった。
世紀を表す前2桁が無いと今世紀の最後の日は99年12月31日となり、多くのコンピュータは2000年1月1日を00年1月1日として前の日よりも小さな数字と判断し、時間を戻して表示するようになるでしょう。
その結果、正常に作動しなくなるだろうと言われているのはあまりにも有名です。


下山さんは2000年問題をテーマにした小説を紹介しながら、どういった事が起こり得るのか?
ソフトウェアだけでなく、データのやり取りをする場所、プログラムが埋め込まれている場所にもこの問題が付きまとっている等、コンピュータが私たちの予想以上に生活に密着している事を指摘し、そして2000年1月1日が最初に来る大都市が東京だと言う事、既に試されている期間に入っている事を認識させていただきました。


結論としては、事前に分かる範囲でのプログラムの修正と、できるかぎり重要なデータのバックアップを取るようにする事が寛容である、ということになりました。



さて、次はコンピュータウィルスについてです。
私たちは半ば急いでインターネットに取り組んだ為に、どうしてもこの手の知識が不足しがちです。
JSでも話題になった「Autostart9805」に下山さんがシール堂印刷に入社した当初に感染した経験があるというので、まずその話からして頂きました。

98年5月中旬に顧客から預かったMOから感染したらしく、MO挿入後にすぐ再起動してファイルが破壊されるという症状に陥り、バックアップから戻して業務継続するも頻繁に破壊されるので、ドライブのQuicktime自動再生機能をOFFすると破壊が止まり、対策ソフトAntivirusで駆除したそうです。


これはAutostart9805がPowerPC搭載のMacintoshでのみ動作する自己増殖型のウィルスで、Quicktimeの自動再生機能を利用してウィルスコードが実行されます。そのためこの機能が無効になっているコンピュータには感染しないということらしいです。
この話はまだAutostart9805が出た当初の話なので、現在のようにこのウィルスが多種類多分化された状況では一概には言えなくなっています。
またWindows環境で作成したファイルをMacintosh環境で共有する場合にも注意が必要だそうです。


最近の代表的なウィルスの例がありますので、ここで紹介したいと思います。

CIH 毎月26日にBIOSやHDをフォーマットする。
MARBURG ウィルス検知ソフト(頭にVがついているファイル)を回避する。
HAPPY99.EXE 自己増殖メール添付型で読んで字のごとく、メールに添付ファイルとしてくっついてくる。開くと綺麗な花火があがって感染し、増殖して出すメール全部にくっついていく。


結局、これらへの対策としては

1・データのやり取りをしない。(これは非常に難しい事ですが)
2・ウィルス検知ソフトウェアを活用して駆除する(ウィルススキャン、ウィルスバスターなど)
3・感染する媒体(MD、FD、メール、コピーソフトなど)には十分注意しよう!
といった基本かつ極論じみた事しか無いのです。

最近ではコンピュータウィルスへの対策は「不正アクセス」の問題に変容してきているそうです。
ダイヤルアップ程度ならあまり心配はないそうですが・・。


最後に今日のテーマごとに参照関連サイトがあります。参考にして下さい。(リンクはしてません)


西暦2000年問題

Y2K JAPAN-足立 晋 http://www.y2kjapan.com/jp/index.asp
2000年問題と企業の対応-東京海上火災保険(株)企業リスク情報 http://www.tokiomarine.co.jp/j0702/html/6.html
Y2K Website−日経BP社 http://biztech.nikkeibp.co.jp/biztech/it/y2k/


コンピュータウィルス

JPCERT−コンピュータ緊急対応センター http://www.jpcert.or.jp/
SARC−シマンテックアンチウィルスリサーチセンター http://www.symantec.com/region/jp/sarcj.html
ウィルスニュース−トレンドマイクロジャパン http://www.trendmicro.co.jp/virusnews/
技術情報−ネットワーク アソシエイツ http://www.nai.com/japan/virusinfo/vinfo.asp


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