東京都正札シール印刷協同組合青年部
10月勉強会
去る10月16日、午後7時より「東洋インキ製造(株)グラフィックテクノセンター」(葛飾区青戸)において、CCM(コンピューター・カラー・マッチングシステム)の勉強会を開催しました。
おぼつかない天気の中、遠いところを11名も集まって頂き、ほっとしました。
まず最初に、CCMを理解する上で知っておいて欲しいという事で、色についての講義がされました。日清紡の本間氏により、コンピューターの中で色がどのように数値化されているかを色々なグラフを見ながら説明されました。
分光反射率、Lab色差グラフ、3次元色差グラフ、CIELab表色系の変色判定図など、あまりなじみの無い言葉が飛び交ってましたが、CCMの中で作成した色と、見本色の誤差を見る時に表示される物で、一目でどれだけ誤差があるか解ります。
次に、東洋インキ製造(株)オフセット事業部印刷システム推進部第2課担当課長の菅原氏によってCCM本体の説明に入る訳ですが、やはり色について詳しくなって頂きたいというコンセプトの為、ここではメタメリズムの話を中心に進みました。
メタメリズムとは、分光反射率が異なるのに、特定の光源下では同じ色に見えてしまう現象の事で、色を合わせるには、クライアントで使っている光源と一致させる必要があるとのことです。
菅原氏曰く、「元々物体に色が着いているのではなく、物体に反射した光を人間の目が色として認識しているのであって、人によって見え方が違う。であるために、正確にこの色とこの色が同じだという事は証明できないのが現実です。」
要は、機械を使っても正確に色を一致させるのは不可能に近いという事であって、その言い訳をしているんだな、という印象を受けました。
しかし、CCMを使う事による作業時間の短縮には価値があると思います。
いよいよCCM本体を前にしての説明になりました。
『トーヨーエコマッチ』はオールインワンシステムと称し、導入した日から使えるように「CCMシステム本体」「分光測色計」「電子天秤」などのCCMシステムとして必要な物を全てパッケージしてあります。
ここでそれらの簡単な説明をします。
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マウスもキーボードも使う必要がないので、機械の傍でも簡単に操作できるのが強みです。処方を計算するスピードもかなり速く、実際に色を混ぜなくても、画面上で色を合わせる事ができます。 最初からデータベースに入っている見本色のデータは、すべて東洋インキさんのものです。他社の色を入れてしまうと、後で責任問題が生じるとかで入れられないとのことでした。 |
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色見本を読み取るほかに、刷り上った印刷物の検査もできます。しかし、一定の面積で読み取るため、網点は白っぽくなり精度が出ません。この他に、金銀・メタリック・蛍光・パールなどは、墨として読み取ってしまうので真っ黒になります。 また、1番精度が良いのが4mm2だそうです。 |
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「CCM本体」「分光測色計」「電子天秤」がセットになって、大体300万円くらいです。 プリンターとバーコードリーダーはオプションになります。 |
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CCMの他にも、染料と顔料の違い・特色とプロセスの比較なども話題に上がり、終了予定時間を過ぎてしまうほど充実した内容になってしまいました。(CCMの説明はかなり短かった)
その中で、菅原氏の「特色は絶対に滅びない。」という言葉に大変勇気づけられました。私は、プロセスが主流のような今、特色の仕事に不安を抱いていましたが、この一言で楽になれました。
色々とあって、終わってみると凄く充実した、今日はやって良かったなと思う、大変意義のある勉強会になったと思います。最後に新入部員の紹介をしたいと思います。
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来月より正札青年部に正式加入していただくことになりました株式会社シール堂印刷の下山さんです。 本日の勉強会にも、まだ正式ではないのに快く出席してくださいました。ありがたいことです。 どうかみなさん今後ともお見知りおきを。 |
次回は11月20日〜21日の研修旅行にご期待を!